ぎっしり詰まった貯金箱
幼少期は家っこの私
幼い頃の私は、おとなしくて外で遊ぶより家にいることが多い子どもでした。
ぬり絵ばかりしていた頃もあったのですが、
小学生の頃にはフェルトでマスコットを作ってみたり、
家庭科の授業でエプロンを作る頃にはミシンを使うのが楽しくなってきて、
短大では服飾学科に進学し、
スカートやワンピースを自分で縫うようにもなりました。
母から受け継いだ道具と古いミシン
私が使っていた裁縫道具は、母が娘時代に使っていたものばかり。
母は「娘に使わせるために置いてたわけじゃないけどな」と言っていましたが、
私はその道具にとても重宝しました。
ミシンは母が若い頃から愛用していた足踏み式にモーターをつけたもの。
重くて扱いにくかったけれど、私にとっては大切な存在でした。
「お嫁入りのミシン」をお願いした
母のミシンは魅力的だけど、多機能なミシンを使ってみたい。
ある時、母に「お嫁に行く時にミシンを買ってほしい」とお願いしました。
母はすぐに了承し、その日から500円貯金を始めてくれたのです。
けれど、なかなか結婚できない私。
あんなお願いしなければよかった…
あの頃は、そんなに深く考えず、
「嫁入り道具」を当たり前に思っていて、
その貯金箱が満タンになるまで時が過ぎるなんて
考えてもいなかった。
貯金箱と母の想い
やがて私が一人暮らしを始めるとき、母はミシンを買ってくれました。
こんな大人になってから、そんな高価なプレゼントをもらうのも
申し訳ないとも思ったけれど、
母も私もその貯金箱が気がかりでした。
このタイミングを逃すともう買うこともないかもしれない。
そうとも思っていました。
結婚だけが人生じゃない
結婚を漠然と考えていた頃も、
相手が見つからず不安になった頃も、
そして一人で生きていくのかと途方に暮れた頃も、
すべてが私の人生の一部です。
母の想いが詰まった貯金箱は、時に心苦しい存在でもありましたが、
私に大切な気づきをくれました。
結婚は誰かのためにするものではなく、
結婚しないことも決して悪いことではありません。
婚活をしていると「結婚すること」だけに意識が向きがちですが、
本当に大切なのは――
「 あなたがどんな人生を歩みたいのか 」ということなのです。