アザラシ
一緒に習い事をしたいと言われて
ある日、会社の後輩から「一緒に習い事を始めませんか?」と声をかけられました。
「何がいいですか?」と聞かれたので
候補として出したのは「書道」か「フラワーアレンジメント」。
どちらも趣味として魅力的です。何より後輩がそう言うなら、ぜひ一緒に始めようと楽しみにしていました。
まさかの選択…英会話?
数日後、後輩から「申し込んできました!」と嬉しそうに報告。
「どっちにしたの?」と聞いた私に返ってきたのは、まさかの答え――英会話。
「なんでやねん!」とツッコミを入れつつも、せっかくなら新しいことに挑戦してみようと思い、通うことに決めました。
美人先生との個人レッスン開始
英会話教室の初日。先生はとても綺麗な方で、さらに生徒は私と後輩の二人だけ。
まるでプライベートレッスンのような贅沢な空間でした。
しかし、そんな優雅な雰囲気とは裏腹に、私は英語が全く話せず、初回からド緊張。
教材の朗読中に「50」を「ごじゅう」と読み、「ごじゅうだらぁず」と日本語読みで言ってしまう始末。
自分でも情けないやらおかしいやら…。
少しずつ慣れてくる英会話
最初は言葉に詰まりっぱなしでしたが、通ううちに少しずつ英語にも慣れてきました。
真面目で努力家な後輩の姿を見ていると、自分も「やらなきゃ」という気持ちになりました。
後輩のアザラシ事件
ある日のレッスンで「テキストのイラストを見て英語で話す」という課題が出されました。
絵には動物がたくさん描かれていて、ペンギンやシロクマなどが並ぶ中、後輩が選んだのはアザラシ。
後輩は大きな声で堂々と話し始めます。そして、自信満々にこう言いました。
「アザァラシィィ!!」
英語なまりで言うから
私は一瞬「これって英語なのか…?」と戸惑いましたが、先生は真顔で静かにこう言いました。
「SEALですね。」
このときの空気感、もう本当におかしくて、こみあげてくる笑いを必死でこらえました。
でも笑えない。笑っちゃいけない。
真剣なレッスンの場だからこそ、余計に笑ってしまいそうになるのが辛かったです。
忘れられない後輩との思い出
この「アザァラシィィ事件」は、私の人生の中でも忘れられない爆笑エピソードとなりました。
私の生涯の笑いのネタとなったのです。
そして、こういう瞬間こそが、後輩のピュアで愛らしい魅力を象徴している気がします。
出会いに感謝し、これからも一緒に何かを楽しめる関係でいたいと、心から思っています。